実写化作品のロールモデルとして:アラジン-その①-
週末、ゴジラを観たかったのだがいまいち時間が合わずにやめてしまった。
とは言え絶対にIMAXで観るつもりではいるのだが…。
いけるかなぁ…。
ということで今回は代わりに観た『アラジン』である。実写版の。
公開前からウィル・スミスのジーニーで話題になっていた本作だが、
もうアニメのまんま。改変点を探すのが難しくなるほどまんまであった。
もちろん、細かい点を挙げればキリがないのだが、
そもそもディズニーのなかでも際立って出来の良い映画が
『アラジン』なのだから、変える必要もないといった判断なのだろうか。
もちろん、ただそのままストーリーをなぞるだけでなく、
見せるべき部分はしっかり見せている。
序盤のアラジンがジャスミンと逃げるシーンなどは躍動感があり、
活劇として見ていてすごく楽しい。
あとはやっぱり歌の場面。
必然的に盛り上がるシーンであるが、
ウィル・スミスが大半を歌いあげているが、
どのシーンも気合が入っているのがよくわかる。
一番のお気に入りは『アリ王子のお通り』。
これはすごい。なにがってカット割り。曲の終盤死ぬほどカット割ってたよ。
頭に入る情報量がオーバーフローしてもう最高。
映画の快感ってこういうもんだと思うんだよ。
下手すりゃ映画の中で一番盛り上がったシーンではなかろうか。
外せないのがウィル・スミス。
はまり役とかそういうレベルではなく、もうとにかくウィル・スミスが良い。
アニメ版ではどのキャラクターも魅力的だが、
今回の実写版で1番輝いていたのは間違いなくウィル・スミスだ。
キャラクターが主張しすぎていてジーニーというよりウィル・スミスなのだ。
正直スクリーンを右に左に動き回るウィル・スミスが今回の映画で1番楽しかった。
こればっかりは俳優選びでディズニーはパーフェクトな仕事をしたと
いえるだろう。
ということで実写化としては完璧に近い出来だと思うのだが、
スタッフロールのあと、私には違和感が残った。
どうにも言語化しにくい違和感。
とりあえず列挙して、違和感の招待を探りたい。
たぶん監督のガイ・リッチーはわざとこういった点、
残したんじゃないかな。
①アラジンがしょぼい
いや別にアラジン役のメナ・マスードを叩こうというわけじゃないんだ。
ただ、ウィル・スミスに食われてるのもあるけど、なんとなく
キャラクターの主張が弱いんだ。
序盤は上記のようにアグラバーを駆け回って魅力的なんだけど、
後半ほとんどなんにもしてないし。
アニメ版だと大蛇に変身したジャファーと戦ったり
してて、見せ場もあるんだけど実写だから当然そんなことはしない。
象徴的なのは、『アリ王子のお通り』。
アラジンがウィル・スミスの魔法でアリ王子になって、
アグラバーを行進する、って歌のシーンなんだけど
アラジンは困惑した顔してるんだ。
アニメ版だとディズニー特有のドヤ顔(わかるだろ、あの顔だよ!)
してたのに。
ついでにジャスミン役のナオミ・スコットもどうなんだろ。
せっかくだし、中東系とかアジア系の女優のほうが
世界観にマッチしてたんじゃないかなぁ。
悪くはない、むしろすごくいいんだけど、
どこかエキゾチズムに欠けるんだよ。
②『ホール・ニュー・ワールド』がしょぼい
間違いなくこの映画1番の欠点。
名曲、『ホール・ニュー・ワールド』に合わせて魔法のじゅうたんで
世界を巡る、というシーンなんだけど、ぜんぜん世界を巡ってないから、
ニューワールド感がまるでない!
アニメ版と比べまくるのもあれだけど、アニメ版は中国(と思しき場所)まで
行ってただろ!
わかってるよ!アニメの演出でこそ活きるシーンだってのは!
だけどもうちょっと気合入れろよ!
『アリ王子のお通り』レベルの演出ができないのはおかしいだろ!
『アラジン』といえばこの曲ってなってるからひねくれ者の
私この曲そんなに好きじゃなかったんだけど、今アニメ版見直したら
すごくいいシーンだよ!そりゃアカデミー賞とるよ!
だけどなんだよ!あの腑抜けた演出は!明らかにやる気ないだろ!
そんなにこの曲嫌いだったのかよスタッフは!
他のシーンの演出全部もっとしょぼく、お金かけなくていいんだから
この曲のシーンだけは映画史に残るレベルのものにしないのはダメだろ!
なんでだよ!
時間がないので後日!GMKもまだ書ききれてないのに!