シリーズ異端の名作:ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃-その①-
キング・オブ・モンスターズの余熱がちっとも冷めないので、
週末にIMAX 3Dで再度鑑賞することとする。
3Dは余計だと思うし、109シネマズの3Dメガネはかけていると
耳が痛くなってくるのだが、IMAXは非常に素晴らしい。
ただスクリーンが大きくなるだけ、と言われれば
その通りなのだが、臨場感が段違いのように感じられる。
さて、今回はゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(通称GMK)
について語ろうと思う。
GMKとしか呼ばれないため正式タイトルを忘れられたり、
地底怪獣バラゴンも登場するのにタイトルに含まれていなかったりと、
タイトルだけでもいろいろと語れることは多いのだが、
この作品は歴代ゴジラの中でも異端であると私は思う。
一旦シリーズが終わるも、1999年に『ゴジラ2000 ミレニアム』
(読み方は「ごじらにせんみれにあむ」でよいのだろうか)で
シリーズが再開。当時小学生だった私も当然大喜びだった。
このゴジラがいない間、かの名作平成ガメラシリーズが公開されていたり、
小学生にしてすでに特撮ファンであった私はこれらの映画を
大喜びで(もっともモスラシリーズは子供向けの路線で、どれも素晴らしい名作だがヒネた子供だった私にはちょっぴり物足りなかった)両親に連れられて
観に行っていたが、やはりゴジラの不在は非常に寂しく、
スクリーンに帰ってくるのをずっと待っていた。
そんな中、公開された『ゴジラ2000 ミレニアム』は、言ってしまえば
ゴジラ映画の中でも1、2位を争うほどの駄作だった。
今改めて見返すとはっきり断言できる。
どの程度ひどいかは『Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1』を
ご参照いただくとして(映画レビュー集なのだが抜群に面白い)、
当時小学生であった私は久々に再開したゴジラに対して
悪感情を抱くわけもなく、さりとて決して面白い映画だったという
感想も持たなかったので、非常に釈然としない気持ちをかかえながら
劇場をあとにしたのを今でもよく覚えている。
続く翌年には『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』が公開。
これは子供心にはっきりと面白くないと思ったのを鮮明に覚えている。
今見返せば演出の意図や、溢れんばかりの怪獣愛に気がつくこともできるが、
小学生にはそこまでの洞察力はなく、
ただただ面白くないという印象だけが残った。
中学受験を控えた友達を誘って観に行ったが、
その友達に対して申し訳ないという感情さえ覚えた。
さて、そんななか母親から次のゴジラはハム太郎と同時上映になるのだと聞いた。
何故かと尋ねればゴジラだけでは観客が入らないのだということだった。
これはゴジラファンであった私の心を少なからず傷つけた。
決してハム太郎を貶めるわけではない。
むしろこのGMKと同時上映だった
『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』に関しては
(ひどいタイトルの割に)今でもあらすじを覚えている程度には面白かった。
ただ、もはやゴジラ映画1本ではやっていけないという事実が
悲しかったのである。
以前のタイトルよりも観客が入らないということに大きな危機感を持っていたと思う。
現に、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』は観客動員数では1984年公開の
『ゴジラ』以降で最低を記録しているのだ。
そこで東宝も本気に出た。
平成ガメラシリーズで実績を出した監督に
ゴジラを撮らせるという大胆な手に出たのである。
そう、金子修介監督である。
GMK自体について何ひとつ語っていませんが、
次回に続きます。