映画を語りたひ。

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シリーズ異端の名作:ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃-その③-

 

今週末、MIBとガルパン公開だが、ゴジラもまだ観直してないのに

観たい映画が2本も公開されるのはどうすりゃいいんだ。

しかも来週にはXメンだぞ。シリーズ振り返る時間もありゃしない。

というかXメンまともに観たの1番最初の映画だけだぞ。

 

さて、GMKである。

平成ガメラシリーズの監督を務めた金子修介監督だが、

ゴジラのデザインにおいて、これまでとは大きく異なる点を1点、

大きく打ち出した。

白目である。

 

初めて雑誌かなにかでGMKゴジラを見たときには、

「なんでこのゴジラは白目むいてんだ」とかその程度のことしか

考えていなかったが、映画で見るとこれが結構怖い。

今作のゴジラは太平洋戦争で犠牲になった人々の怨念の集合体として語られる。

白目であることにより生物感が薄れ、

災害・脅威としてのゴジラを描くことに成功している。

そのせいか、GMKではやたらゴジラが強い印象が残っている。

 

また、ゴジラの熱戦によりキノコ雲が形成され、

観客に核を想像させている。

「戦争・核被害のゴジラ」を非常に象徴的に表していると思う。

 

おまけに人間の兵器がまるで通用しない。

それまでのシリーズでは多少攻撃が効いている描写もないではなかったが、

今作では終盤を除き、ゴジラは人では太刀打ちできない存在なのだ。

 

そんなゴジラを迎え撃つのは護国聖獣である3体の怪獣である。

バラゴン・モスラキングギドラの3体だが、

どう考えてもバラゴンは場違いだ。いや割と好きだけどさ。

だいたいゴジラ映画に出たのって『怪獣総進撃』だけじゃないか。

なぜ今回の映画のようにラドンにしなかったのかとも思うが、

空を飛ぶ怪獣が2体になってしまうからという判断なのだろう、たぶん。

 

余談だがネットで、もともと護国聖獣は

バラゴン・アンギラス・バランだったという恐ろしい記述をを見た。

書籍などのソースがないので本当かどうかわからないが、想像するに恐ろしい。

なにが恐ろしいって、その地味な怪獣たちでゴジラに立ち向かったところで

ゴジラとどういう勝負が展開されるのか全く想像がつかないし、

仮に3対1の状況に持ち込めたとしてもすぐゴジラにやられそうである。

アンギラスなんて昭和のゴジラ映画では完全にゴジラの舎弟だし。

「すぐ ていさつ にゆけ!」とかゴジラに言われて

「OK !」とか返してただろ。

ファイナルウォーズで派手な活躍してたけど、その前の登場は

ゴジラ対メカゴジラ』でゴジラに化けたメカゴジラ

口を裂かれるという衝撃的なシーンが最後だっただろ。

なにが衝撃的かって、ノコノコ友好的なムードでゴジラ(中身メカゴジラ)に

近づいたアンギラスがボコボコにされて最後は口を裂かれるというのが

もうかわいそうでかわいそうで…。

 

さらにバランだぞバラン。単体映画こそあるものの、

その後の登場は『怪獣総進撃』のみ。この映画ほんとにいろんな怪獣だしてんだな。

海底軍艦』にしか出てなかったマンダも地味に登場してたし。

しかしマンダは自分の名前を冠した映画がないのか。ちょっとかわいそう。

(ちなみにバラゴンの初登場は『フランケンシュタイン対地底怪獣』である。

 地底怪獣としか表記されていないが一応タイトルには入ってる)

そもそもいろんな東宝怪獣がいるなかでもバランって相当マイナーな部類だし、

怪獣総進撃』でもどんなことしてたかまったく記憶に無いぞ。

あの映画、なぜかゴロザウルスのインパクトが異常に強いんだよね。

凱旋門を破壊しながら地中から現れるわキングギドラにカンガルーキックかますわで。

ゴロザウルスも『キングコングの逆襲』にしか出てないのにね。

今『キングコングの逆襲』ってタイトル出してディープな東宝怪獣ファン以外

分かるやついないよね(Godzilla vs. Kong公開の際にとりあげられるか?)。

 

とまあバラゴン・アンギラス・バランから人気怪獣2体のとのチェンジが

あったわけだが、もともとの選出ならいったいどんな映画になったのだろう。

金子修介監督だから面白くしてくれるとは思うのだが、

その場合でも、このGMK(いやGBABになるのか?)は

ものすごいカルト映画としてゴジラシリーズに君臨していただろう。

無難なモスラキングギドラの選出で良かったと思う。

そもそもゴジラの観客動員数が落ちてた時代だから無難な方向に行くのは

まあ当然である。

 

次回は護国聖獣の3体について。